リフロー炉前で検査をする意味
Pre reflow inspection
基板実装ライン「リフロー炉前」で検査をする意味
基板実装の現場では、画像検査装置を「印刷機後(SPI)」「リフロー後(3D-AOI)」に入っているのをよく見ます。それぞれ大事な工程の後で「ちゃんと半田が基板に印刷されたか」「基板実装がうまくいき、半田もうまく基板とチップについたのか」を検査するわけです。特にリフロー後は製品自体が最終的に良品かどうか検査しますから、立体的な検査ができる3D対応の高価な機械が入っています。3D-AOIの設定には部品の登録作業があり、大変時間がかかるので、管理者の頭を痛めるところです。
しかしそこで不良がわかっても、固まっている半田をはんだごてで溶かして修正するのは至難の業です。ならばリフロー前で確認して修正したいところでしょう。
また、リフロー炉内で溶けた半田の表面張力で、チップに影響を与えて不良が出る場合もあります。こういった不良には、リフロー前後の状態を比較確認することで原因を突き止め、改善することができるかもしれません。
ではリフロー前にも検査装置を入れるかというと、それは以下の理由でなかなか導入には躊躇します。
- 高価な機械をもう一台入れることになるが、それだけの理由で高価な装置は費用対効果が合わず、入れられない。
- ただでさえ設定が大変な検査装置の設定を、もう一回行うのは非現実的。
リフロー前検査機(PRI:Pre Reflow Inspection)に必要な要件とは
リフロー前検査機(PRI)にリフロー後検査機(3D-AOI)を入れているお客様もいますが、リフロー前検査機とリフロー後検査機に必要な要件は違います。
それは
1)基板に部品が正確に搭載しているかを検査できること。
はんだフィレットの形状を見る必要はないので、複雑な3D機能は必要なく2D機能で十分
2)不具合が見つかったときすぐに基板へアクセス・確認作業ができること。
基板の不具合をピンセットで修正することは勿論、マウンターや印刷機のズレを予兆としてチェックして設定を変更することで、これ以上の不具合の発生を防ぐ予兆管理として利用したい。
3)設定時間が短く、段組みに時間がかからない事。
3D機能を必要としないリフロー前検査であれば、部品一つ一つの座標を入力する手間は省きたい。
このような要件がリフロー前検査機(PRI)には必要だと私たちは考えています。
ウイングビジョンの実装基板向け画像検査装置は、「リフロー前」(PRI)専用装置です。
ウイングビジョンの「WV-1806Q-330」シリーズは、4台の高精細な1800画素カメラが基板上部に固定された形になっており、検査を行うため駆動部分を持ちません。そのため、今までの3D-AOIに比べ安価な装置になっています。リフロー後と違い、はんだのフィレット形状を見る必要がないので3Dの機能は必要ありません。
また、「メッシュマッチング」技術と設定にAI(人工知能)を利用した「AI-MESH」技術が搭載されているため、設定時間がMサイズ基板なら20分程度で終了し設定者の負担がほとんどありません。検査時に詳細な画像を保存していますので、リフロー後で不良があった場合、リフロー前でどのような状態だったのかをすぐに確認できます。それにより何が原因でNGになったのかをよりスピーディーに分析し、前工程やリフロー炉の管理へフィードバックすることができます。
ウイングビジョンの実装基板用画像検査装置を試してみませんか?
「メッシュマッチング+AI-MESH」の設定の容易さには、検査の様子を見られる方の多くが驚かれています。実際にその様子をご覧いただければ、お客様の現場に貢献できるかを実感することができると思います。ウイングビジョン本社、または代理店デモルームでご確認することができます。もしお客様の基板をお持ちいただければ、実際に検査を行うことも可能ですし、お貸出しいただければ詳細なレポートを作成する事もできます。